2018.10.29
, EurekAlert より:
フィットネスクラブに行くのに葛藤があるとしたら、それは現実にあなたの脳の内側で葛藤が起きているからだ、というカナダ・ブリティッシュコロンビア大学からの研究報告。
マシュー・ボワゴンティエ博士ら研究チームは、脳が彼らが「エクササイズパラドックス」と呼ぶ現象の答えだという。これは、社会が運動を奨励sるほどに人々は逆に運動をしなくなっていくようにみえるパラドックスであるという。
「エネルギーを保存することが、ヒトの生存には不可欠であり、それによって、食糧や隠れ場所をより効率的に探すことができる」とボワゴンティエ博士は言う。「世界的な不活動に対抗する公衆政策の失敗は、進化によって発達、強化された脳内の処理プロセスが原因なのである。」
研究チームは、29名の若年成人を対象に実験を行った。コンピュータの前に座り、画面のアバターをコントロールした。2種類の小さなイメージのうちひとつが画面に現れたが、ひとつは身体活動を意味し、別のひとつは不活動を意味するものだった。参加者は、身体活動の絵を追いかけ、不活動の絵から逃げるようにアバターをコントロールした。またその逆の行動も実施した。
参加者は、身体活動を追いかける時と不活動から逃げる時に最も速かったが、実験中の脳波を測定したところ、不活動から逃げる時は脳のより負荷をかけることがわかったという。
「我々の結果は、不活動から逃げる時にヒトはより多くのコストをかけるということである。そのためには脳のリソースをよりたくさん使うことになるようだ。この結果が示唆しているのは、我々の脳が座位行動により魅せられるようだ、ということである」とボワゴンティエ博士は語っている。
出典は『神経心理科学』。 (論文要旨)
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