2018.10.23
, EurekAlert より:
米国の若年成人、特に大学生は食品廃棄についての知識が欠けており、知っていても生活環境などの制約でそれを実行できなかったり、自分たちには全く制御できない次元の問題と考える傾向が高いようだ、という米国イリノイ大学からの研究報告。
世界的に食品ロスと食品廃棄を減らすことに注目が集まっているが、最近の研究によれば、18-24歳の若年成人は、他の年齢層に比べて、廃棄の傾向が高いようだ。
研究チームは、この年代の特に学生の居住形態に原因がありそうだと考えた。学生は全ての食事を学生食堂で済ませる者が多く、食品購入の計画や食料品店の利用法を学ぶ機会がない可能性がある。また通学や環境的な制約のために、残余物を貯蔵する冷蔵庫を持たない可能性もある。
今回、研究チームは、18-24歳の若年成人58名を対象に、食品廃棄についての認識を詳細に知るためのフォーカスグループを実施した。参加者の大部分は大学生で、一部はキャンパス内に住み、大学の学生食堂にアクセスできた。
参加者は、例えば、彼らの典型的な食事とその準備場所、米国における食品廃棄についてどのくらいの知識があったか、特定の状況下で食べ物が残った場合にどのようにしたか、といったことを質問された。
大学生と非大学生の間には似たような話題が多く見られたが、キャンパスの中に住む者と外に住む者の間には違いが見られたという。
「若年成人に食品廃棄を減らすようにさせるための方法は、彼らが何にアクセスできるかによって変わってくる」と筆頭研究者のカッサンドラ・ニコラウスは説明する。「我々が注目したひとつは、環境的な制約である。冷蔵庫を持っているのか、食事パターンにおいて実際にどれだけ活用されているのかを知らずに購入計画を語ることができるだろうか?」
議論のなかで現れてきた主要なテーマは、食品廃棄に対する無関心や目を背けているということである。多くの参加者が、大学の学生食堂で毎日どれだけの食品が廃棄されるか気付いてさえいなかった。
「多くの学生が、それは彼らにはコントロールできないことだと述べた」と共同研究者のブレンナ・エリソンは言う。「何人かの参加者は、それを彼らが気にするべきことだと言われたことはなかったと語った。」
出典は『食欲』。 (論文要旨)
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