2018.10.22
, EurekAlert より:
妊娠中の血糖上昇は、血糖高値でない者より、妊娠10年後、糖尿病の発症の可能性が有意に高いようだ、というノースウェスタン大学等からの報告。これまでの妊娠糖尿病の定義に当てはまらない場合でも高まるようだ。
HAPO-FUSでは、妊娠糖尿病の新しい定義に合致していない母親の血糖値の長期的影響を比較した。妊娠中の血糖値上昇は、出産後少なくとも10年間、母親の前糖尿病や2型糖尿病発症リスクを増加させるかどうか、母親の子供の肥満リスクを増加させるかどうかを検討したという。妊娠糖尿病の新定義に一致した母親とそうでなかった母親の血糖値の長期的影響を比較した。
研究では、過体重、肥満の子供4,832人について、肥満指数(BMI)、体脂肪率、皮下脂肪厚、胴囲のデータを収集し、分析したという。
結果は、出産後10〜14年のフォローアップ時、妊娠中に血糖が上昇した女性では、およそ11%が2型糖尿病、42%が全糖尿病を発症していたという。妊娠中に血糖値が上昇しなかった者のうち、約2%が2型糖尿病、約18%が全糖尿病を発症した。
また、血糖高値の母親から生まれた子供の肥満指数(BMI)、体脂肪率、皮下脂肪厚、胴囲を調査したところ、全て肥満傾向を示したという。例としてBMI値をみると、血糖正常値の子供では10%が肥満であったのに対し、血糖高値の母親から生まれた子供の19%は肥満であった。
出典は『米国医学会誌(JAMA)』。 (論文要旨)
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