2018.9.27
, EurekAlert より:
妊娠中にグルテンの多い食事をすると、生まれてくる子供の1型糖尿病の発症リスクが高まるようだ、というデンマーク・バルトリン研究所からの研究報告。
グルテンは、小麦やライ麦に含まれるたんぱく質で、1型糖尿病の発症に影響を及ぼすことがこれまでの研究で示唆されている。動物実験では、妊娠中のグルテンフリー食が1型糖尿病の発症を完全に予防したという報告もあるが、妊婦を対象にした介入研究は今のことろ存在せず、ヒトでの効果は不明である。
研究チームは、デンマーク全国誕生コホートに1996年1月から2002年10月に登録された63,529名の妊婦のデータを解析した。
妊娠25週に食事摂取頻度調査を行い、子供の1型糖尿病の罹患については、デンマーク青少年糖尿病レジストリーを通じてデータを得た。
グルテンの平均摂取量は1日13gで、7g未満から20g以上まで広く分布していた。1型糖尿病は、247例報告された(0.37%)。
妊娠時年齢、BMI、総摂取カロリー、喫煙の有無など潜在的に影響を及ぼす種々の因子を調整して解析した結果、子供の1型糖尿病の発症リスクは、母親の妊娠中のグルテン摂取量に比例して上昇した。
グルテンの摂取量が1日20g以上だった女性の子供は、1日7g未満だった女性の子供に比べて、15.6年の追跡期間中に1型糖尿病を発症するリスクは、2倍だったという。
本研究は観察研究なので、因果関係についてのしっかりした結論は導けない。けれども、本研究は対象者数が多く質が高い。
出典は『英国医学雑誌(BMJ)』。 (論文要旨)
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