2018.9.27
, EurekAlert より:
軽度-中程度の身体活動(週4時間以上の歩行、2-3時間の水泳など)を行う人々は、不活動な人々に比べて、重度の脳卒中に罹患するリスクが有意に低いようだ、というスウェーデン・ヨーテボリ大学からの研究報告。
研究チームは、スウェーデンの2つの脳卒中レジストリから925名の脳卒中患者(平均年齢73歳)のデータを解析した。データには脳卒中の重症度(眼、腕、顔面の運動、意識レベル、言語運用能力)が記載されていた。80%が軽度の脳卒中だった。
身体活動量については、患者に脳卒中前の余暇時間における運動量を聞いた。運動時間と運動強度が聞かれ、関係者にそれを確認した。
軽度の身体活動は、最低週4時間の歩行と定義された。中程度の身体活動は、週2-3時間の水泳、速歩、ランニング、とした。対象者の52%が、脳卒中以前には不活動であった。
研究の重要な限界点として、運動量を脳卒中後の記憶が曖昧になっている可能性がある状態で聞いている点を、研究チームは挙げている。
データ解析に結果、軽度から中程度の身体活動を行っていた人々は、不活動だった人々に比べて、脳卒中が軽度である傾向が2倍高かった。不活動だった481名のうち、354名(73%)が軽度の脳卒中だったが、軽度の身体活動を行っていた384名のうち、330名(85%)が、中程度の身体活動者59名中53名(89%)が、軽度の脳卒中であった。
主任研究者のカタリーナ・スンナーハーゲン博士は、本研究が、身体活動が脳卒中の重症度を低下させることを証明するものではなく、単に両者の関連を示唆しているだけであると述べている。
出典は『神経学』。 (論文要旨)
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