2018.9.4
, EurekAlert より:
現在までで最も長期かつ最大の肥満予防介入研究において、貧困層のコミュニティに住む幼児とその家族は、初期には幾許かの成果と実質的な行動変容を示したけれども、結局は早期の小児肥満予防に充分とはいえなかった、という米国ヴァンダービルト大学からの研究報告。
この『GROW(ウェルネスに邁進)』介入研究の結果は、『米国医学会誌(JAMA)』に発表されたもので、短期の肥満低下が3年間の研究期間中に消失したことが示されている。3年後に、介入群と対照群のBMIには有意差が見られなかった。
主任研究者のシャリ・バーキン小児肥満研究所長は、「介入は予防のためであっても、長期にわたってそれなりの強度で活性を持つ必要がある」と言う。「我々は成人肥満の介入研究ではうまく行くことを検証していたが、貧困層の小児肥満の予防のためには、より持続的でよりアクティブな介入が必要であるようだ。」
今回の研究対象者は、610組の親と就学前児童の組み合わせのうち、90%がヒスパニックで高レベルの行動介入を3年にわたって受けた。児童は肥満のリスクが高かったが、介入時点では肥満ではなかった。
「これは現実的な研究であり、彼らが暮らすコミュニティと家庭をベースに進められた」とバーキンは述べている。
42%の家庭が空腹と食糧不足を訴えており、80%の親が過体重か肥満であった。
「本介入は、開始時に空腹で食糧不足の子供たちには非常にうまく働いていたように見えた」とバーキンは述べている。「我々は、介入が家族を彼らのコミュニティのリソースや他の隣人たちとうまく結びつけたことによるものだと考える。けれども、さらなる検証が必要である。」
行動変容介入は、3つのフェイズに分かれていた。最初12週間はスキルを構築する介入フェイズ、次に9か月は電話でのコーチングによる維持フェイズ、そして24か月の必要に応じて介入する持続可能フェイズ。
「小児肥満大流行に直面して、本研究は、効果的な予防介入の必要性を強調するものである。特に肥満率の高い低収入のマイノリティ集団にそれが必要である」と国立心肺血液研究所(NHLBI)GROW介入研究プログラム長で共同研究者のシャーロッテ・プラット博士は述べている。
出典は『米国医学会誌(JAMA)』。 (論文要旨)
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