2018.9.3
, EurekAlert より:
生姜に含まれる辛味成分6-ギンゲロールが唾液中の酵素を刺激して口臭の原因となる匂いの分解を促進するようだ。一方、クエン酸は唾液中のナトリウムイオンを増やし、塩辛い食品の塩味を減ずるという。独ミュンヘン工科大学の研究。
研究チームは、唾液中の分子と相互作用する食品成分の効果について調査した。
生姜の6-ギンゲロールは、唾液中の酵素スルフヒドリルオキシダーゼ1の活性をわずか数秒で16倍に高めるという。ボランティアを対象にした唾液と呼気の分析から、この酵素が悪臭のあるイオウ化合物を分解することがわかった。
また、クエン酸は、唾液中のナトリウムイオン濃度を約7倍高めるという。それによって、塩味に対する感受性が低下するのであるという。研究チームによれば、食塩は塩化ナトリウムであり、既に唾液中のナトリウムイオン濃度が高まっていると、食品の塩分の刺激が相対的に減じるようだ。
主任研究者のトーマス・ホフマン教授は、味覚と唾液中の生化学的過程の複雑な相互作用を理解するにはまだ多くの研究が必要だろう、とコメントしている。
出典は『農芸・食品化学雑誌』。 (論文要旨)
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