2018.8.30
, EurekAlert より:
砂糖の摂りすぎによる悪影響は数多くあるが、摂る時間帯を昼間だけにすれば、昼夜問わず摂るよりダメージは抑えられるようだという。名古屋大学の研究。
身体活動量の少ない生活と、加工食品を多用した食生活が合さることで、糖尿病・肥満・高血圧といった状態、つまりメタボリック症候群に結びつく。メタボリック症候群の原因に対しては数多くの洞察がなされてきたにも関わらず、これを予防するための方法に関連する遺伝・環境・生活様式因子の複雑な相互作用については、まだよくわかっていない。
ショ糖(いわゆる普通の砂糖。ブドウ糖と果糖により構成される糖の一種)の過剰摂取は肥満や高血圧に関連することは知られているものの、その発症メカニズムや抑制方法については不明な部分も残っている。
名古屋大学大学院生命農学研究科の小田裕昭准教授らの研究チームは、ラットを用いた実験により、ショ糖の多い食事を与えるタイミングを活動時間帯、つまり「昼間」に限ることで、体内の過剰な糖分による悪影響の多くを軽減できることを明らかにした。
今回、ラットを食事内容と与える時間帯によって次の4群に分けて比較を行った。なお、夜行性であるラットにとっての「昼間」は夜にあたる。
@高ショ糖食・「昼間」のみ A高でんぷん食・「昼間」のみ B高ショ糖食・24時間自由摂取 C高でんぷん食・24時間自由摂取
4群の体重・血液と肝臓の脂質・肝臓の遺伝子発現などについて調べたところ、食事量は同等だったにも関わらず、@の高ショ糖食を昼間のみ摂取した群の血中脂質と肝臓脂肪は、BCの24時間自由摂取群よりも低かったという。
また、脂質の低さの原因は脂質代謝遺伝子の発現とは全く関係のないこと、そして食事を摂る時間の制限が功を奏したことが示された。
世界中に蔓延する砂糖の過剰消費によるダメージを軽減するには、摂取する時間帯を昼間のみに制限することが有効であるかもしれない、などと研究者は話している。
出典は『プロスワン』。 (論文要旨)
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