2018.8.30
, EurekAlert より:
ノロウイルスは、腸の細胞への侵入に細胞表面に存在する糖の一種であるフコースを足掛かりに使う。フコースは母乳や海藻にも含まれるが、ノロウイルスにはその違いが見分けられないので、フコースのサプリは感染防御に有効である可能性があるという。独ケルン大学などからの研究報告。
研究チームは、母乳からフコースを含有するオリゴ糖を抽出して、ノロウイルスとの結合性を検討した。そして、結合がフコースの種類に寄らず、ただその量に依存することを発見したという。フコースとノロウイルスたんぱく質との結合は極めて弱いので、その量が問題になるらしい。
「ウイルスの結合は、ヒト母乳オリゴ糖の構造には関係が見られなかった。末端のフコースだけが認識され、より高い密度でフコースが存在すれば、結合もより強まるようだ」と筆頭著者のフランツ-ゲオルグ・ハニッシュはコメントしている。
出典は『生物化学雑誌』。 (論文要旨)
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