2018.8.24
, EurekAlert より:
中年期から禁酒した者も週14単位以上の重度飲酒を続けた者も、どちらも認知症のリスクが高まるようだ、という仏パリ・サクレー大学などによる研究。但し両者の原因は異なっているようだ。
研究チームは、1985年に35-55歳だった英国公務員9,087名を対象にしたデータを解析した。1985-1993年の間に一定間隔で飲酒量が調査された。平均23年間の追跡期間中に、397件の認知症が記録された。認知症発症の平均年齢は76歳だった。
社会経済因子、生活習慣などを考慮して調整した結果、中年期に禁酒した者と週14単位以上飲酒した者は、週1-14単位飲酒した者に比べて、認知症の発症リスクが有意に高かったという。
本研究は観察研究なので因果関係についての確固たる結論を導けないと研究者は注記している。また、禁酒者と過剰飲酒者でリスクが高まったが、根本的なメカニズムは異なる可能性が高いだろう。
「アルコール摂取は、他の疾患のリスクを高めるので、飲んでいない人に飲酒を進めるべきではない」と研究者らは述べている。
出典は『英国医学雑誌(BMJ)』。 (論文要旨)
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