2018.8.22
, EurekAlert より:
高齢の英国女性において、苦味に対する高い感受性は、高い発がんリスクと有意に関連しているようだ、という米国ペンシルバニア大学からの研究報告。
研究チームは、5,500名の女性の食事、生活習慣、健康を20年以上にわたって追跡調査した。苦味に対する感受性としてフェニルチオカルバミド(PTC)を感じる能力を指標とした。これは苦味受容体の特異遺伝子TAS2R38の変異に関係いる。
英国女性コホート研究は、1995年にリード大学の栄養疫学者らが開始したもので、食事と慢性疾患、特にがんとの関係を明らかにしようというものである。研究では最初35,000名の中年女性を対象に開始された。がんの罹患データは、英国国民健康サービス中央レジスターから得た。
研究チームは女性の食事を、開始時に実施した217項目からなる食事摂取頻度調査票から解析した。研究チームは、苦味感受性の高い女性は、野菜の摂取量が少なく、がんの罹患率が高まるだろうと予測した。
苦味に対する感受性と野菜の摂取量には関連は見られなかったが、苦味に対する感受性はより高いがんの罹患リスクと関連することが明らかになった。
「最も苦味感受性の高い女性と最も苦味感受性の低い女性のがん罹患率の違いは衝撃的なものだった。非感受性者に比べて、超高感受性者は、がんの罹患リスクが58%高く、高感受性者は40%高かった」と主任研究者のジョシュア・ランベルト准教授は語っている。
けれども、この分析においては、高感受性者は期待したような食品選択をしておらず、高いがん罹患リスクをそれで説明することはできなかった」とランベルト准教授は指摘している。
出典は『欧州栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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