2018.8.20
, EurekAlert より:
ほどほどの炭水化物摂取が健康長寿には最適であるが、植物由来のたんぱく質と脂肪で炭水化物を置き換えることは、動物由来のたんぱく質と脂肪で置き換えるよりも、死亡リスクを低下させる効果が高いようだ。米国ブリガム婦人病院からの報告。
研究チームは、「共同体の動脈硬化リスク研究」(ARIC)の参加者15,428人(45-64歳)を平均25年間追跡調査した。その間に6,283人が死亡した。
データ解析の結果、炭水化物摂取量と平均寿命にはU字型の関係があり、炭水化物のエネルギー比率が40%未満でも70%以上でも50-55%(※)に比べて死亡リスクが高まることを発見した。40%未満で平均寿命は4年短くなり、70%以上でも1年の短縮がみられた。
さらに研究チームは、8つの前向きコホート研究(ARIC含む)の432,179人のデータをメタ分析した結果、同様にほどほどの炭水化物摂取者の平均寿命が最も長いことを確認した。
一方で、「低」炭水化物摂取者においては、ただ炭水化物の量だけが問題なのではないようだ。炭水化物を動物性(牛肉、羊肉、豚肉、鶏肉、チーズなど)のたんぱく質と脂肪に置き換えていた場合は、野菜、豆類などの植物性食品からのたんぱく質、脂肪の場合に比べてさらに死亡リスクが高まることがわかったという。
「本研究は、炭水化物摂取量と寿命に関する最も包括的な研究であり、食事の特定成分と長期的な健康の関係をよりよく理解するのに役立つだろう」と主任研究者のスコット・ソロモン博士はコメントしている。
※参考:「日本人の食事摂取基準(2015年版)」において、炭水化物の目標量(%エネルギー)は50-65%と示されている。
出典は『ランセット公衆衛生』。 (論文要旨)
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