2018.8.16
, EurekAlert より:
朝食を食べてから運動をすると、朝食に含まれていた糖質だけでなく、体内に貯蔵されていた糖の燃焼率が高まるほか、次に食べる昼食の消化・吸収・代謝が速やかに行われるようだ。英国バース大学の研究。
この研究では健康な男性12人を対象に、@朝食の2時間後に運動(自転車こぎ1時間)した場合、A朝食は食べずに同様の運動をした場合、B朝食後3時間安静にした場合について、血糖値と筋グリコーゲンの測定を行った。
その結果、朝食を食べることで運動中に糖質の燃焼率が高まったほか、運動後に摂った食事の消化や代謝率も上昇することを発見したという。このことについて、研究リーダーの一人であるゴンザレス博士は次のように話している。
「運動前に朝食を摂ることが、運動後の食事への反応にどう影響するかを調べた研究としては、これが初めてのものです。私たちは朝食を食べると、食べなかった場合に比べて、運動後の食事に含まれる糖質の消化・吸収・代謝の速度が上がることを発見しました」
「さらに、運動前の朝食が運動中の糖質燃焼を増加させること、そしてこの糖質は、単に食べたばかりの朝食に由来するものだけではなく、筋肉中にグリコーゲンとして蓄えられていた糖質も含まれることがわかったのです。運動前に朝食を摂ると「昼食」後の血糖値が速やかに降下するのは、筋グリコーゲンの利用が増加したから、かもしれません。」
運動前に食べた朝食は身体を満たし、運動後の食事を速やかに蓄積する準備をさせるのではないか、とのこと。今回の実験は短期的なものだったが、長期的にはどう影響するのか、また運動の後に朝食を摂った場合はどうなのか、などについてゴンザレス博士らはすでに研究を進めているという。
そして、とくに2型糖尿病や心血管疾患のリスクが高い過体重の人にとってどう影響するか、についてのさらなる研究にニーズがあることは明らかである、などと博士は話している。
出典は『米国生理学・内分泌学および代謝作用雑誌』。 (論文要旨)
|