2018.8.2
, EurekAlert より:
豆類・きのこ・コーヒー・茶はやっぱり身体に良い?食べ物の健康効果に関しては様々な説が存在し、論争が起きるというのはよくあることだ。身近な食品について、米・国立ユダヤ医療研究センターが多くの研究例をまとめて健康効果の検討を行った。
「現在の栄養学的勧告では、心臓のためには野菜・果物を豊富に摂り、全粒穀物とナッツ類を適度に、と示されています。しかし、乳製品、糖の添加、コーヒーやアルコールなど、答えの出ていない食品群はたくさんあります」と研究者のフリーマン博士は話す。
たとえば、低脂肪の乳製品が血圧を有意に下げる可能性があるとされる一方で、乳製品とLDLコレステロールの上昇や骨折、全死因死亡率との関連性を示す研究がいくつもあるのだ。専門家の間でさえ明確なコンセンサスがないのだが、複数のメタアナリシスを再検討してみたところ、乳製品にはビタミンやミネラルの供給源である一方、飽和脂肪や塩分も多いことから摂り方に注意すべきとしている。
今回検討を行った食品は以下の結果となっている。
<心血管の健康に良い食品> ・豆類、コーヒー・紅茶(砂糖・ミルク無し)、植物性または海産物由来のn-3系脂肪酸、アルコール※、きのこ、(菜食主義者において欠乏しやすい)ビタミンB12
※少量〜中程度のアルコールは心血管疾患のリスクを下げるが、特定のがんと肝疾患リスクがあるため、心血管に良いからといってアルコールを摂取することは推奨されない。
<心血管の健康に良くない、または量を制限すべき食品> ・砂糖・高果糖液糖の入った食品(冠動脈性心疾患、脳卒中、アテローム血栓性心血管疾患の悪化リスク上昇) ・エナジードリンク(血圧上昇、血小板凝集、不整脈リスク)
<エビデンスが不十分な食品> ・乳製品、発酵食品、海藻
参考:同研究チームは2017年にも同様の論文を発表しており、今回の論文はその第2弾との位置付けだ。ちなみに第1弾で検討された食品の中で、心血管に良いとされたのはエキストラバージン・オリーブオイル、ベリー類、ナッツ類、植物性たんぱく質であり、良くない、または量を制限すべき食品をココナッツ油、パーム油、卵、繊維分を取り除いた野菜・果物のジュース、油脂を使った食品、加工肉類、加糖飲料としている。また、エビデンスが不十分な食品としてひまわり油などの植物性油、高用量の抗酸化サプリメント、繊維分を除去していない野菜・果物のジュース、グルテン含有食品が並んでいる。
●前回の研究論文はこちら↓ https://www.onlinejacc.org/content/69/9/1172
出典は『米国心臓学会誌』。 (論文要旨)
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