2018.7.24
, EurekAlert より:
オレンジジュースの製造プロセスにおけるある種の低温凍結処理はジュースの色合いを良くし、機能性成分のひとつであるカロテノイドの人体への吸収を高めるかもしれない、というスペイン・セビリア大学からの研究報告。
ただし、低温凍結処理には二つの正反対の効果があるという。ひとつは、カロテノイドの分解(否定的効果)であり、別のひとつはカロテノイドの生体利用率が高まること(肯定的効果)である。この二つの効果を考慮した結果、研究チームは、低温凍結ジュースは、電子レンジで解凍するのが好ましいと結論付けた。
研究チームは、新鮮なオレンジジュースを用いて、低温凍結したジュースを室温に解凍するのに、自然解凍、電子レンジ、そして冷蔵庫を用いた。また殺菌したジュースも使用した。分析は、2つのカロテノイド(ファイトエンとファイトフルエン)に焦点をあてた。どちらも色はないが、健康効果や化粧品成分として注目が高まっているという。
低温凍結は、カロテノイドの損失を招いたけれども、新鮮なジュースよりも、室温に解凍したものと電子レンジで解凍したものの方が生体利用率の高いカロテノイドが多かった。
「解凍したジュースは新鮮なジュースに比べてカロテノイドの濃度は低下しているが、細胞組織の破壊や断片化によってカロテノイドの腸管の吸収性が高まったと考えられる」と研究チームは述べている。
出典は『機能性食品雑誌』。 (論文要旨)
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