2018.7.20
, EurekAlert より:
母親が健康的なライフスタイルを遵守すると、小児期から青年期の子供の肥満リスクが低減するようだ、というハーバード T.H. チャン・スクール・オブ・パブリック・ヘルス等からの報告。
先行研究では、子供のライフスタイルの選択は、母親の影響を大きく受けると示唆されているが、母親の健康的なライフスタイルパターンが、子供が小児期、青年期の時の肥満発症に影響を与えるかどうかは調査されていなかった。そこで、今回、母親の総合的な健康的ライフスタイル(健康的なBMI、食事の質が高い、定期的な運動、喫煙習慣なし、軽度から中程度のアルコール摂取)と子供の肥満発症リスクとの関連を調査したという。
研究では、米国の看護師健康研究II(NHSII) の女性16,945名、成長研究(GUTS) の子供24,289名(ベースライン時9歳から14歳で肥満ではない)を対象とした。詳細なアンケートにより、病歴とBMI、身体活動レベル、食事を含むライフスタイル、アルコール摂取、喫煙歴について調査した。アウトカムは、小児期、青年期の肥満(国際肥満タスクフォースによるカットオフポイントによって性、年齢別に定義)である。
結果は、年齢、民族性、慢性疾患歴、世帯収入、教育歴等潜在的な影響要因調整後、健康的な体重の女性の子供は、他のBMIカテゴリーの母親の子供より、肥満のリスクは56%低かったという。現在喫煙中の女性の子供と比し、喫煙習慣のない母親の子供は、肥満のリスクは31%低かった。1週間に150分以上運動した母親の子供、軽度、適度な飲酒(1日ワイン1から2杯かビール約500ml程度)をした母親の子供もまた、運動をしなかった母親の子供、飲酒しなかった母親の子供と比し、肥満のリスクが低かった。5つの低リスクのライフスタイル(質の高い食事、正常体重、定期的な身体活動、軽度から中程度のアルコール摂取、喫煙習慣なし)であった母親の子供は、肥満発症リスクが85%低かった。
「今回の知見は、小児肥満のリスクを抑えるために、親に基づく介入を実施する潜在的利点を強調している。さらに、小児肥満発症における父親の影響を調査するために前向き研究が必要である」と研究者らは述べている。
出典は『英国医学雑誌(BMJ)』。 (論文要旨)
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