2018.6.26
, EurekAlert より:
コレステロール低下薬に対する応答性に影響を及ぼす一般的でない遺伝子変異を発見した、という米国テキサス大学、アラバマ大学、ケンタッキー大学他7研究機関による共同研究。
研究チームは、2002-2005年にミネソタ州とユタ州で約800名を対象に実施された「脂質低下薬と食事の遺伝学ネットワーク」(GOLDN)研究参加者のデータを解析した。参加者は、研究室で、ホイップクリーム、チョコレート、イチゴシロップなどで作られたミルクセーキを飲み、前後の血液から血中脂質を測定された。その後高脂血症治療薬のフェノフィブラートを3週間にわたって服用した後、再び研究室で同じことを繰り返した。また遺伝子解析と遺伝子発現レベルが調べられた。
データ解析の結果、研究チームは、血中脂質の変化に関連をもつ少なくとも3つの遺伝子の4つの変異を発見した。
「我々は、SIPA1L2と呼ばれる遺伝子に複数の変異を発見した。これはミルクセーキの摂取後の中性脂肪に影響を及ぼす。また、ITGA7という別の遺伝子は、フェノフィブラート服用後のLDL-コレステロールに影響した。さらに、CEP72遺伝子は、フェノフィブラート服用前後のミルクセーキ摂取後の中性脂肪に影響した」と共同研究者のリアン・アービンは語っている。
「これまで中性脂肪とコレステロールを変化させる一般的な突然変異が幾つか知られていたが、これは全体の4分の1以下しか説明しない。我々は、説明できないうちの少なくとも48%は、人口の5%未満の人にしかみられないような稀な遺伝子変異によって説明できると考えた」と主任研究者のデグイ・ジー教授は語っている。
出典は『脂質研究雑誌』。 (論文要旨)
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