2018.6.25
, EurekAlert より:
妊娠前からの糖尿病、または妊娠中期位までに妊娠糖尿病になった母親から生まれた子は、自閉症スペクトラム障害のリスクが高まることがわかったという。米・医療保険団体カイザー・パーマネンテの研究。
先行研究において、妊娠前からの2型糖尿病患者や妊娠26週までに妊娠糖尿病と診断された母親の子において、自閉症スペクトラム障害(ASD)リスクとの関連が指摘されていたが、1型糖尿病との関連性についてはほとんどわかっていなかった。
本研究では、妊娠前からの1型および2型糖尿病患者や、妊娠26週までに妊娠糖尿病とされた母親から生まれた子は、いずれもASDリスクが高まることが明らかになった。一方で、妊娠26週より後に妊娠糖尿病とされた母親の子については、リスクとの関連がみられなかったという。
今回の研究の対象者は、1995年〜2012年までの間にカイザー・パーマネンテ南カリフォルニア病院で生まれた約42万人。対象者の母親のデータを見ると、妊娠前から1型糖尿病だった人は621人、2型糖尿病9,453人、妊娠26週までに妊娠糖尿病とされた人11,922人、妊娠26週以降に妊娠糖尿病とされた人24,505人だった。なお、全対象者のうちASDと診断されたのは5,827人であった。
ASDの年間平均有病率(1,000人当たり)は、データ調整前では1型糖尿病の母親の子どもで4.4人、同じく2型糖尿病で3.6人、妊娠26週までの妊娠糖尿病2.9人、妊娠26週以降の妊娠糖尿病2.1人、糖尿病でない母親の子は1.8人であった。
そして、対象者本人の出生年や性別、また母親の年齢、出産経験、学歴、人種、経済状況、既往歴といった潜在的交絡因子によって調整したところ、ASDの相対危険度は、糖尿病でない母親から生まれた子に比べ、1型糖尿病の母親の子は2.36倍、同じく2型糖尿病で1.45倍、26週までの妊娠糖尿病1.30倍、26週以降の妊娠糖尿病0.99倍となったとのこと。
出典は『米国医学会誌(JAMA)』。 (論文要旨)
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