2018.6.19
, EurekAlert より:
未加工の脂肪の少ない赤身肉であれば、地中海型食生活に積極的に取り入れても、心血管代謝系因子を改善することが可能なようだ、という米国パデュー大学からの研究報告。
研究チームは、成人肥満者に対して積極的な減量なしの地中海型食生活の健康効果を検証した。41名(女性28名、男性13名)の参加者に、1フェイズ5週間かけて2種類の地中海型食生活のどちらかを実施してもらった。その後4週間の洗い出しフェイズで通常の生活を送った後、やっていない方の地中海型食生活を5週間実施した。2種類の地中海型食生活とは、Med-Red:1日100gの未加工の赤身肉(リーンミート)を食べるフェイズと、Med-Control:週2回100gの未加工の赤身肉を食べるフェイズであった。最初にするフェイズはランダムに振り分けられた。減らした肉の分のたんぱく質は、家禽類またはその他のたんぱく質が豊富な食材で補われた。
その結果、総コレステロール値は、どちらのフェイズでも低下したが、Med-RedのほうがMed-Controlよりも低下が大きかった。LDL-コレステロールは、Med-Redでは低下したが、Med-Controlでは低下しなかった。HDL-コレステロールは、両者で同様に低下した。中性脂肪、総コレステロール:HDL比、血糖値、インスリン値は変化が見られなかった。どちらのフェイズでも血圧にも改善が見られた。
「中程度の肥満成人は、未加工の赤身肉であれば、赤肉の摂取量を減らさずに地中海型食生活パターンを採用することで、複数の心血管代謝性疾患のリスク因子を改善できる可能性がある」と研究チームは結論付けた。
出典は『米国臨床栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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