2018.6.19
, EurekAlert より:
特別な栄養学的刺激に反応して水を飲みたくなるように脳を刺激するホルモンを同定した、という米国テキサス大学からの研究報告。
このホルモンは、FFGF21という肝臓のホルモンでその存在は以前から知られていた。研究チームは、FGF21がマウスの脳の報酬回路を通じてアルコールとケトジェニック食に対する欲求を抑え、水を飲みたくさせることを発見した。
「我々は、アルコールとケトジェニック食がFGF21の生産を肝臓で高めることを知っていた。今回我々は、このホルモンが血中を脳の特殊な部位、視床下部、まで運ばれて飢渇感を刺激して脱水を防止することを示した」と主任研究者のスティーブン・クリーワー教授は語っている。「意外なことに、FGF21は腎臓の古典的なレニン・アンジオテンシン・アルドステロン飢渇経路とは独立した新しい伝達経路を通じて作用する。」
マウスで、このホルモンは栄養学的刺激に応答して脱水を制御する(水を飲む)。ある実験では、研究チームは正常なマウスとFGF21を作らないマウスを用いて、両者が通常のエサに反応して同じくらい水を飲むことを示した。けれども、高脂肪・低炭水化物のケトジェニックなエサは、正常マウスでは摂水を増加させたが、FGF21欠損マウスでは増加させなかった。つまりこのホルモンはある種の摂水の信号経路に役割を持っていることを示唆している、と研究チームは指摘している。
出典は『細胞代謝作用』。 (論文要旨)
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