2018.6.12
, EurekAlert より:
頭頸部がんの治療に先立つ数年間に大量の炭水化物や種々の糖分を摂取していると、がんの再発率と死亡率が高まるようだ。米国イリノイ大学アーバナシャンペン校からの研究報告。
けれども、ほどほどの脂質や、全粒穀物、ジャガイモ、豆などのでんぷん質の食品を治療後に食べることには保護効果がみられ再発と死亡を低下させた、と筆頭研究者のアンナ・アーサー教授は語っている。
研究チームは、400人以上の頭頸部扁平上皮がん患者を対象に、治療前後の食事と健康アウトカムの関連を調査した。患者は最初の診断と治療開始後、平均26カ月追跡調査した。
患者の食事は、ハーバード食事摂取頻度調査票を用いて調べられた。単純糖質(精製穀類、デザート、加糖飲料)の摂取量が最も少なかった群の平均摂取量は、1日1.3サービングで、最も多かった群は4.4サービングだった。
データ解析の結果、治療前に単純糖質の摂取量が高かった患者は、低かった患者に比べて、追跡調査期間中の総死亡率が有意に高い(ハザード比2.26)ことが明らかになった。
「この観察研究は、治療が困難な重篤ながんに焦点を当てていることと、患者と戦うのに栄養が最も効果的になるような方法についてはほとんど知られていないことから、注目に値するものである」と共同執筆者のローラ・ロジャース教授は語っている。「この研究は、がん生存者に対する最適な食事推奨を検証するためのさらなる介入研究の重要性を示唆している。」
出典は『国際がん学雑誌』。 (論文要旨)
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