2018.6.4
, EurekAlert より:
緑茶は、動脈硬化に起因する心臓発作と脳卒中による死亡を予防するための鍵を握っているかもしれない、という英国ランカスター大学とリーズ大学からの研究報告。
研究チームは緑茶の中に、アルツハイマー病の脳内に蓄積するアミロイド斑を減らす成分が、血管壁での潜在的な危険性をもつたんぱく質プラークを減少させる効果を有することを発見したという。
動脈硬化は、心臓や脳の動脈の内側に脂肪性物質が沈着して血液の流れを低下させる。これが進行した段階では、アポリポプロテインA-1(apoA-1)はアミロイド沈着を形成することができ、これはアルツハイマー病で見られるのと類似の構造である。これらの沈着は動脈硬化プラークを形成してサイズを拡大し、血液の流れを制限し、同時にプラークをより不安定にして、心臓発作や脳卒中のリスクを高める。
研究チームは、緑茶の成分であるエピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)がapoA-1のアミロイド線維に結合することを発見した。これがアミロイド線維を小さな可溶性の分子に転換して血管壁へのダメージを減らすのだという。
現在、チームは緑茶を大量に摂取する必要無しにEGCGの有効濃度を血中で維持する方法を検討中である。これには、EGCGを化学修飾することも含まれる。それによって胃からの吸収を容易にし、また代謝を受けにくくするのである。あるいは、それは注射など新しい方法の開発につながるかもしれない。
出典は『生物化学雑誌』。 (論文要旨)
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