2018.6.1
, EurekAlert より:
グルコースは細胞のエネルギー源であり、身体は後で使うために余剰のグルコースをため込む機能があるが、そのバランスについては不明な点が多かった。
米国テキサス大学の研究チームは、NAD+を保存する特殊な細胞内コンパートメントを検討することで、脂肪細胞を作る遺伝子のスイッチを入れる上で、NAD+の果たす役割を明らかにしたという。
「このコンパートメント化は、核内の遺伝子発現と細胞質の代謝に深遠な影響を与える」と主任研究者のW.リー・クラウス博士は語っている。「我々が発見したのは、これらのプロセスが脂肪細胞分化とがん細胞において鍵となる役割を果たしているということだ。」
「この分野で以前に考えられていたことは、NAD+は細胞全体に均質に分布しており、異なる細胞内コンパートメント間を自由に移動しているということだった」とクラウス博士は言う。「我々が示したのは、NAD+は実際のところコンパートメント化されているということ。核内と細胞質に分かれてNAD+はプールされており、その濃度はある細胞条件下で変化するということだ。」
NAD+の生合成レベルが全体ではなく別々に調節されていることを考慮に入れることは、その生物学的理解を助ける、と筆頭研究者のケアン・リュー博士は語っている。「我々の研究は、NAD+の生物学に新しい理解を供給するものだ。」
出典は『サイエンス』。 (論文要旨)
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