2018.6.1
, EurekAlert より:
運動が、予期せぬ供給源からの脂肪分子によって代謝を押し上げるようだ、という米国オハイオ州立大学からの研究報告。
研究チームは、56人の参加者について中強度運動後の血中脂質の変化を測定した。1群は、ステーショナリーバイクを40分間漕ぎ、別の1群はトレッドミル上で45分間ジョギングした。
その結果、褐色脂肪細胞が生産するリポカインの一種12,13-diHOMEが、運動後に血中に放出されることを発見したという。このリポカインは、以前には寒冷刺激で放出されることが知られていた。
「運動中にカロリーを燃やすというより、褐色脂肪細胞は、筋肉に最も多くの脂肪を取り込んで燃焼させるよう信号を送っているようだ」と筆頭研究者のクリスチン・スタンフォード助教授は語っている。
研究チームは確認のためにマウスを用いて動物実験も行った。そして、動物が運動すると、やはり血液中にこのリポカインが放出されること、外科的に褐色脂肪細胞を除去すると、それが起きなくなることを観察した。
「本研究は、これらのリポカインが運動によって制御されている可能性を示しており、褐色脂肪細胞が運動の代謝的利益において持つ新しい役割を示唆している」とスタンフォード助教授は語っている。「本研究が驚きなのは、これまでの研究では運動は褐色脂肪細胞の活性を低下させることが示されていたからだ。」
これまでの研究では、褐色脂肪細胞は運動中にグルコースの取り込みが低下し、それは奮闘中には燃料を必要としないからだと考えられてきた。
出典は『細胞代謝作用』。 (論文要旨)
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