2018.5.29
, EurekAlert より:
ビタミン、ミネラルサプリメントは、心疾患の予防、治療に有益であるという十分なエビデンスは示唆されなかったようだ、というカナダ・トロント大学等からのレビュー報告。例外として、葉酸は脳卒中リスク軽減傾向を示唆した。植物性由来の食品に重みを置き、健康的な食事を取り入れるという現在の推奨事項が強化されるべきであるという。
今回のレビューでは、ビタミンやミネラルサプリメントの使用による有益性の有無を調査した179件(2012年1月から2017年10月までに出版)の無作為化比較試験を検討した。この期間には、米国予防医学専門委員会(The U.S. Preventive Services Task Force(USPSTF))が、2013年、心臓血管疾患、がんの一次予防に対するビタミン、ミネラル、マルチビタミンの使用について発行したガイドライン前後に発表された論文が含まれている。
結果は、最も一般的に使用されるサプリメント4つ(マルチビタミン、ビタミンD、カルシウム、ビタミンC )に関するデータは、心血管疾患、心筋梗塞、脳卒中の予防に一貫した利益は認められず、全死因死亡率に対する利益も認められなかったという。葉酸単独成分、葉酸が成分として含まれるビタミンB複合体は、脳卒中の減少を示唆した。しかしながら、ナイアシン(ビタミンB3)、酸化防止剤は、全死因死亡率のリスク増加に関連した。
今回の調査結果は、2014年の最新のUSPSTFの推奨を裏付けるもので、「今回のエビデンスは、心血管疾患やがんの予防に、単独、複合の栄養補助剤の有益性と有害性のバランスを評価するには不十分である」としている。
出典は『米国心臓学会誌』。 (論文要旨)
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