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[栄養]  必須脂肪酸、肥満関連の遺伝子発現を改善か
2018.5.28 , EurekAlert より:   記事の難易度 2
  

最新の研究から、食事に含まれる必須脂肪酸には、筋肉中のたんぱく質分泌に関わる遺伝子を変えることによって、たんぱく質分泌を制御する役割を持つ可能性が明らかになった。カナダ・ゲルフ大学の動物実験から。

必須脂肪酸には、主に植物性食品に含まれるα-リノレン酸とリノール酸があり、これらは多価(高度)不飽和脂肪酸の一種である。さらに詳しくみると、α-リノレン酸はn-3系脂肪酸、リノール酸はn-6系脂肪酸であり、n-3系、n-6系脂肪酸はいずれも脳の健康、そして炎症と心疾患リスクの低下に有益であることが示されている。

複数の先行研究において、筋肉から分泌されるたんぱく質(骨格筋セクレトーム)は、筋線維形成や膵臓におけるインスリン産生β細胞の機能などといった代謝活性のシグナリング調整を助けることが明らかになっている。

今回に先立つ研究では、肥満とインスリン抵抗性(身体がインスリンに対して適切な反応ができないこと)は、骨格筋セクレトームを変えることが示唆されている。

そこで研究チームは、必須脂肪酸の規則的な摂取が、骨格筋セクレトームに関連する遺伝子発現をどう制御しているのかについて調べることにした。ラットを用いた実験で、血糖値の測定のほか筋肉やRNA(DNAから、たんぱく質生成のための遺伝情報を得て運ぶ分子)の採取を行った。

なお、ラットは次の4群に分けた。
@スリム群(スリムな体型のマウスに通常食を与えた)
Aα-リノレン酸群(肥満マウスにα-リノレン酸を添加した食事を与えた)
Bリノール酸群(肥満マウスにリノール酸を添加した食事を与えた)
C肥満対照群(肥満マウスに通常食を与えた)

実験開始から12週間後、α-リノレン酸群とリノール酸群のマウスは肥満対照群に比べて血糖値が低く、耐糖能が良好だった。また、α-リノレン酸群はリノール酸群よりもこれらの結果がより良いことがわかった。さらに、食事の違いによって発現の変わる遺伝子を135以上発見することに成功した。これらの遺伝子は、15種類のたんぱく質の分泌に関わるという。

15種類のたんぱく質のうち大部分は、スリム群・肥満群で発現が異なっていた。今回の結果から、α-リノレン酸とリノール酸は骨格筋セクレトームを特異的に制御する可能性があることや、食事に多価不飽和脂肪酸を添加することで遺伝子発現をさらに変えることが示唆された。

出典は『生理学的遺伝子学』。 (論文要旨)      
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