2018.5.24
, EurekAlert より:
魚の摂取と長期の神経学的健康には関連がみられるようだ、というスウェーデン・チャルマース工科大学からの研究報告。多くの魚に豊富に含まれるパルブアルブミンたんぱく質が、パーキンソン病に密接に関連するある種のたんぱく質構造の形成を防止する助けになるようだ。
魚は健康的な食品であり、認知機能を長期にわたって改善すると考えられてきたが、その理由はかならずしも明らかにではなかった。オメガ-3系及びオメガ-6系脂肪酸が魚油には豊富であるため、これがその原因と推定されてきたが、科学研究の結果は一致した見解へは至っていない。
今回研究チームは、多くの魚に豊富に含まれる、たんぱく質の一種であるパルブアルブミンが、その原因のひとつであることを示唆する研究結果を発表した。
パーキンソン病の特徴のひとつは、α-シヌクレインと呼ばれるヒトたんぱく質によるアミロイド形成である。α-シヌクレインはしばしば「パーキンソンたんぱく質」と呼ばれる。
研究チームは今回、パルブアルブミンが、α-シヌクレインたんぱく質と結合するアミロイド構造を形成することを発見した。パルブアルブミンは効果的に、α-シヌクレインたんぱく質を「掃除」して、それ自身の潜在的に有害なアミロイドの形成を阻止することができる。
「パルブアルブミンはパーキンソンたんぱく質を集め、それ自身の凝集を実際に防止する」と筆頭研究者のペルニラ・ウィッツング-スタフシェーデ教授は説明している。
一般にたんぱく質は血液中にそのまま吸収されることはないが、研究チームはこれまでの研究で、パルブアルブミンが魚アレルギーの原因になることを明らかにしており、他のアレルゲンなどと同様に、一部が血中に移行することがわかっていたという。
出典は『サイエンティフィックレポート』。 (論文要旨)
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