2018.5.21
, EurekAlert より:
ベリーに含まれる天然色素アントシアニンが、がん細胞中のサーチュイン6酵素の機能を上昇させるようだ、という東部フィンランド大学からの研究報告。この酵素の制御はがん治療の新たな回廊へとつながる可能性を秘めているという。
サーチュインは、細胞の鍵となる信号伝達経路の制御に関与する遺伝子の発現を制御する酵素である。加齢はサーチュインの機能の変化をもたらし、種々の疾病の発症に寄与する。サーチュイン6(SIRT6)はあまり知られていない酵素であるがグルコース代謝に関連している。
ベーリー類にはアントシアニン類と呼ばれる色素が含まれている。
「最も興味美回結果は、野生のビルベリー、クロスグリ、コケモモに豊富に含まれるアントシアニンであるシアニジンに関連したものだ」と筆頭研究者のミンナ・ラーナスト=リラ博士は語っている。
シアニジンは、ヒト大腸がん細胞のSIRT6酵素レベルを高め、Twist1およびGLUT1遺伝子の発現を低下させると同時に腫瘍サプレッサーFoXO3遺伝子の発現を高めた。
研究チームはまた、コンピュータによるシミュレーションモデルで、植物中の異なるフラボノイド化合物がいかにSIRT6酵素を制御するかを予測した。
研究結果は、アントシアニン類がSIRT6の活性化を高めることを示しており、これはがんの病因に関与している可能性がある。また、この結果は、SIRT6機能を調節する新薬開発のための基礎を提供するものであるという。
出典は『サイエンティフィックレポート』。 (論文要旨)
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