2018.5.18
, EurekAlert より:
日々のストレッチングは、可動性が低下している高齢者に健康利益をもたらすかもしれない、という電気通信大学と米国フロリダ州立大学などによる動物実験の報告。
運動の有益性は良く知られているにも関わらず、高齢者は、いつでも容易とはいえないトレーニングを嫌って、定期的な運動プログラムに参加しないことが多い。特に、可動性が低下しており、筋力が低下している場合にはなおさらその傾向が高いという。
筋肉のストレッチングはウォームアップやクールダウンのために広く実施されており、有酸素運動に比べて低強度である。それゆえ極めて広範囲の高齢者がほとんど傷害リスクなしにそれを行うことが可能である。
研究チームは、高齢ラットを用いた動物実験において、定期的な筋肉ストレッチングを週5回4週間にわたって実施することが、下肢の筋肉の血流を上昇させることを発見した。また定期的なストレッチングが下肢の筋肉中の動脈機能を改善し、毛細血管の数を増加させることを発見した。
これは可動性が低下した高齢者が、定期的なストレッチングによって筋肉への血流を改善できることを示唆しているという。これは特に歩行が困難な高齢者に意義があるだろう。加えて、末梢動脈疾患の患者や糖尿病などで脚部に障害のある患者にも有効であるだろう。
出典は『生理学雑誌』。 (論文要旨)
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