2018.5.17
, EurekAlert より:
野菜、果物、ナッツ類、魚類が豊富な食事は、脳の容積を増やすようだ、というオランダ・エラスムス大学医療センター等からの報告。
今回の研究対象者は、認知症の既往がないオランダ人4,213人(平均年齢66歳)、である。質問紙により過去一か月に食べた400近い品目の食事調査を行い、オランダの食事ガイドラインに基づいて、食事の質を評価した。14食品群(野菜類、果物類、全粒粉製品、種実類、ナッツ類、魚類、乳製品、魚類、茶、総脂質のうち不飽和油脂、赤肉・加工肉、砂糖入り飲料、アルコール、塩)について評価を行い、0-14点のスコア化した。参加者はまた、脳MRIスキャンを受け、食事内容との関連が調べられた。
年齢、性別、学歴、喫煙の有無、身体活動について調整後、頭の大きさを考慮した場合、食事の質が良いことと、脳の容積の大きいことには関連がみられることが明らかになった。食事の質が良いと、脳容積、灰白質容積、白質容積、海馬容積が大きい傾向にあった。食事の質は、白質病変容積、ラクナ、微小出血に関連していなかった。
より具体的には、野菜、果物、全粒粉、ナッツ、乳製品、魚類の摂取が多く、砂糖入り飲料が少ないことは、より大きい脳容積と関連していたという。
「全体的な食事の質の良さと、総脳容積の大きさとの関連性については、1つの特定の食品群によるのではなく、いくつかの食品群により引き起これることが示唆される。脳容積がより大きい者は、先行研究において、より優れた認知能力を有することが示唆されている。したがって、食事の質を改善することは、高齢者の思考スキル維持の戦略となる可能性がある」と、主任研究者のマイケ・ヴォーノージ氏は述べている。
出典は『神経学』。 (論文要旨)
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