2018.5.16
, EurekAlert より:
ビタミンDが不足している人は糖尿病の発症リスクが高いようだ、という米国カリフォルニア大学からの疫学研究報告。
研究チームは、平均年齢74歳の903名の健康で糖尿病前症と糖尿病の兆候のない人々を1997-1999年の間に集め、2009年まで追跡調査した。開始時にビタミンDと空腹時血糖値、ブドウ糖負荷試験が実施された。
追跡期間中に47名が糖尿病、337名が糖尿病前症と診断された。
データ解析の結果、研究チームは、血中25-ヒドロキシビタミンD濃度は30ng/mlがぎりぎり健康である下限値であることを明らかにした。これは米国科学アカデミーの医学研究所が2010年に勧告した値よりも10ng/mlも高い値である。
「我々は、血中25-ヒドロキシビタミンDが30ng/ml以上であると、糖尿病の発症リスクが3分の1に、50 ng/ml以上であれば5分の1になることを発見した」と筆頭研究者でソウル大学校のスー・パーク医師は語っている。
共同研究者のセドリック・ガーランド教授は、25-ヒドロキシビタミンDが30 ng/ml未満であることはビタミンD不足と考えられる。これらの人々は、50 ng/ml以上の人々に比べて、糖尿病の発症リスクが5倍高いことを発見した、と語っている。
「25-ヒドロキシビタミンDの血中濃度が高いことが2型糖尿病の発症を予防するかどうかについては更なる研究が必要である」とガーランド教授は述べている。「けれども本研究と過去の研究では強い関連性が示されている。」
出典は『プロスワン』。 (論文要旨)
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