2018.5.15
, EurekAlert より:
離乳食の内容は子どもの発育にどう影響するのだろうか? 米国コロラド大学の研究で、粉ミルクで育てられていた赤ちゃんを対象に、離乳食のたんぱく源が肉中心だった子と乳製品中心だった子の体格を1歳時点で比較した。すると、肉中心だった子の方が細身で身長が高めになる傾向があることが発見された。
この研究では、粉ミルクで育てられている月齢3〜5か月の赤ちゃん64人をランダムに2群に分け、粉ミルクに加えて離乳食として果物、野菜、乳児用シリアルの他、たんぱく源としては乳製品中心と肉中心のいずれかを摂ってもらった。
「母乳栄養が基本であるべきといえど、米国の乳児は大多数が粉ミルクで育てられています。しかし粉ミルク児を対象とした研究は限られているのです。私たちは、たんぱく質の供給源が発育を制御する上で重要な役割を持つ可能性を発見しました。たんぱく源を肉中心とした乳児は、乳製品中心の乳児と比べて体重は同程度だったものの、身長はより高かったのです」と、研究を率いたタン准教授は話している。
粉ミルクで育つ乳児に与えられた離乳食の、たんぱく源の違いによる発育への影響を調べた研究としては、おそらくこれが初めてのものだ。
なお、この研究で使用された乳製品は乳児用ヨーグルト、チーズ、乳清濃縮物の粉末であり、肉は市販のピューレ状肉とした。乳児の発育状態の把握のために、身長、体重、頭位を月齢5〜12か月まで計測したほか、試験開始時と終了後に血液採取を行った。
ちなみに乳製品群、肉群のいずれも総摂取エネルギー、たんぱく質、脂質は同程度であったため、たんぱく源は栄養摂取量に影響を及ぼさないものと考えられる。
出典は『米国臨床栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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