2018.5.14
, EurekAlert より:
血中のn-6系脂肪酸値の高さと死亡リスクの低下には関連があったという、東フィンランド大学からの研究報告。
n-6系脂肪酸の中でも最もなじみ深いリノール酸の摂取は、コレステロール値や、循環器疾患の予防に関連することが広く知られている。しかし、死亡との関連については、これまではっきりしていなかった。
本研究では、1984年から1989年にベースライン調査を行い、当時42-60歳であった対象者を平均22.4年追跡した。
そして、対象者をベースライン時点の血中n-6系脂肪酸(リノール酸・アラキドン酸・γ-リノレン酸・ジホモ-γ-リノレン酸)濃度の高さによって5群に分けて比較した。その結果、リノール酸濃度が最も低かった群と比べ、最も高かった群では総死亡リスクが43%も低下したこと明らかになった。また、アラキドン酸も弱いながら同様の傾向がみられたが、γ-リノレン酸・ジホモ-γ-リノレン酸では関連がみられなかった。これは、循環器疾患による死亡、循環器疾患やがんによる死亡を除いた死亡でも、同様の結果であった。しかし、いずれの脂肪酸でもがんによる死亡との関連はなかった。
また、本研究結果は、先行研究における病気の発症リスクと同様の傾向を示していた。先行研究では、食事中および血中のリノール酸値の高さが、循環器疾患や2型糖尿病発症のリスク低下と関連があることが示されている。
リノール酸は、主に、植物油やナッツなどに多く含まれており、血中のリノール酸濃度は、個々の食事内容に影響を受けるという。
出典は『米国臨床栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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