2018.5.9
, EurekAlert より:
身体活動などのような変更可能な因子によって女性の妊娠能力は影響されるようであり、ウォーキングは妊娠可能性を高める助けになるかもしれない、という米国マサチューセッツ大学からの研究報告。
本研究は、「妊娠と生殖におけるアスピリンの効果(EAGeR)」という低用量アスピリンの妊娠に対する影響を測定した多施設ランダム化対照臨床試験データの二次分析であり、妊娠損失(流産、死産、子宮外妊娠など)の経験のある女性の妊娠確率に対する身体活動の影響を検討したものである。
参加者は、それまで1-2回の妊娠損失を経験した18-40歳の健康な女性1,214名で、米国内の4つの医療センターでスカウトされた。6回の月経周期内に妊娠したかどうかを追跡調査された。
データ解析の結果、ウォーキングと妊娠確率は、BMIによって有意に変化することが明らかになった。肥満女性においては、1回10分以上のウォーキングと、妊娠確率の改善に関連がみられた。週4時間以上の高強度運動をする女性は、運動しない女性に比べて、有意に妊娠確率が高かった。高強度運動と妊娠確率の関係はBMIによって影響を受けなかった。中強度の運動、座位行動は妊娠確率に影響を及ぼさなかったという。
今回の知見は、身体活動が妊娠を試みる女性に有益であるというエビデンスを供給するものであり、特に肥満女性にとってはウォーキングが有益であるようだ。その作用機序については更なる研究が必要であろう、と研究チームは結論づけた。
出典は『人類生殖』。 (論文要旨)
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