2018.5.8
, EurekAlert より:
超低炭水化物ダイエットは、1型糖尿病の血糖コントロール改善に役立つ可能性があるようだ、というボストン子供病院からの報告。さらに低血糖と他の合併症の発症率が低かったという。
研究では、超低炭水化物ダイエットの食事療法を行なう1型糖尿病患者のFacebookコミュニティであるTypeOneGritにおいてオンライン調査を実施した。調査に参加した493人のうち、316人が十分な情報を提供し、分析に含めたという。これらの対象者のうち138人は、糖尿病診断、血糖管理測定値、代謝健康測定値、他のアウトカムを、医療従事者、医療記録閲覧から確認できた。対象者の42%が子供であった。
対象者の炭水化物摂取量は平均36gまたは総カロリーの約5%(比較として、米国糖尿病学会は、炭水化物からエネルギーとしては約45%を推奨)であった。自己報告によるヘモグロビンA1c値(血糖コントロールの主要な尺度)は、5.67%と正常範囲内で平均値(目標は7%以下、一般的なレベルは平均8.2%)であった。インスリン投与量(平均0.40U/kg/日) は平均より低値であった。そして、入手可能なデータからは、インスリン感受性、心臓代謝的健康の指標(トリグリセリド低値、HDLコレステロール高値など)が良好な値を示唆したという。
1型糖尿病における超低炭水化物ダイエットに関する安全性の懸念、(例えば、低血糖のリスク増加、血糖の急激な低下など)が高まっている。しかしながら、今回の研究では、低血糖での入院率(1%)、糖尿病性ケトアシドーシス(2%)、他の糖尿病合併症が、1型糖尿病集団で一般的に報告される値より低かったという。
出典は『小児科学』。 (論文要旨)
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