2018.4.26
, EurekAlert より:
レジスタンストレーニング(ウェイトトレーニング)を行っている成人が食事と一緒にたんぱく質サプリメントを摂取することは、食間にサプリメントを摂取するよりも体重管理に効果的であるようだ、という米国パデュー大学からの系統的レビュー。
レジスタンストレーニング前後の食事性たんぱく質の摂取は、運動後の回復期における正味のたんぱく質バランスをプラスにすること促進することはよく知られている。たんぱく質のサプリメントは、飲料、パウダー、固形などの形態で市販されており、体重増加、減量、体重管理などの目的で使われている。
だが、各々の目的によって摂取のタイミングは同じではない。従来、体重増加のためには、たんぱく質サプリメントは食間に摂取するのが一般的で、食事と一緒あるいは食事の代替としてのたんぱく質サプリメントは減量を目的とした場合に推奨されることが多かった。
つまり、食間のたんぱく質サプリメントは、それによって食事による摂取量が減らないため、エネルギー摂取量と体重は増加する。もしレジスタンストレーニングをしながら1日2回のたんぱく質サプリメントを食事と共に摂取すると、通常の食事の量は減る。したがって、たんぱく質サプリメントの摂取タイミングは、極めて重要である。
けれども、これまでたんぱく質サプリメントの摂取タイミングは系統的に評価されていなかったという。この新しいレビューで研究チームは、レジスタンストレーニング中の成人におけるたんぱく質サプリメントの摂取タイミングが体組成に及ぼす影響についての既存の文献をレビューした。
文献検索の結果、59の介入群をもつ34件のランダム化対照臨床試験がみつかった。介入群の中で、食事中または食間にたんぱく質サプリメントを摂取した場合、体重(ボディマス)は、各々56%と72%上昇し、除脂肪体重は、94%と90%上昇、体脂肪は87%と59%低下、体脂肪に対する除脂肪体重の割合は、100%と84%増加した。
食事と共に摂取というのは、食事直後、文字通り食事中に、および高たんぱく質食に代替した場合を含む。食間というのは、たんぱく質サプリメントを、主として運動前後か、食事時ではない時間に摂取した場合を含む。
この系統的レビューの結果は、たんぱく質サプリメントを筋肉増強や体脂肪減少のために摂っている人々にとっては新奇なものであるかもしれない。食事中にたんぱく質サプリメントを摂取することは、食間に摂取するよりも効果的であり得るようだ。レジスタントトレーニングと共にそれが実施される場合、より効果的に体脂肪を減らし、除脂肪体重を増やせるようである。ただし、体重(ボディマス)全体を増やしたい場合には食間の摂取が効果的であるようだ。
出典は『栄養学レビュー』。 (論文要旨)
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