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[運動]  研究は運動と食欲不振の関係を説明している
2018.4.25 , EurekAlert より:   記事の難易度 3
  

高強度の運動をすると一時的に食欲がなくなるのは何故なのか? 米国アルバートアインシュタイン医科大学の研究チームは、その秘密が脳の視床下部の弓状核(ARC)にあることを突き止めた。体温上昇をARCが感知してその後食欲が低下するのであるという。

ヤンファン・ヨー准教授ら研究チームは、ARCにおける食欲抑制性のプロオピオメラノコルチン(POMC)ニューロンに注目した。これらのニューロンのいくつかは血液脳関門によって遮蔽されていないため、直接血液中のホルモンや栄養素の影響を受ける。研究チームは、これらのニューロンが体温変化も感知するのではないかと考えた。

熱を感知して応答するために、ARC POMCニューロンにはカプサイシン及び熱感受性TRPV1受容体のようなものが必要と思われる。研究チームは、マウスのPOMCを含む視床下部組織を取り出して、カプサイシンまたは熱に曝露したところ、そのような受容体があることがわかったという。

カプサイシンと熱はPOMCニューロンを受容体を通じて活性化するようだ。POMCニューロンの約3分の2がそのような受容体を持っている。そこで次に、POMCニューロンとTRPV1受容体が食欲を減らす上でどのような関与をしているのかを調べた結果、次のようなことが明らかになった。

●マウスのARCへのカプサイシンの注入は、マウスの摂食量を次の12時間にわたって低下させた。POMCのTRPV1様受容体を阻害しておくと、食欲低下はみられなくなった。
●マウスがトレッドミル上を40分間走り続けると、ARCの温度が急激に上昇し、20分でプラトーに達し、その後1時間以上上昇した状態を保っていた。運動後、マウスの摂食量は非運動マウスの半分になった。
●ARC POMCニューロンのTRPV1受容体が存在しない遺伝子改変マウスでは、トレッドミルによる運動後の摂食量低下はみられなかった。

「我々の研究は、体温が摂食行動を制御する生物学的信号の一つとして作用しているというエビデンスを供給するものである」とヨー博士はコメントしている。

出典は『プロス生物学』。 (論文要旨)      
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