2018.4.24
, EurekAlert より:
『老年医学雑誌シリーズA』3月号に掲載された6件の関連研究が、地中海型の食生活と健康的な加齢の新たな関連を明らかにすると同時に、この食生活の潜在的な有益性を測る上でのデータの使用には注意深い配慮が必要であることを強調している。
今回の一連の研究が報告しているのは、この食生活のメカニズム;地中海型食生活と身体機能、認知機能の正の相関関係;この食生活の実施におけるコエンザイムQ10のサプリメントの価値;炎症を減じることにおけるこの食生活の役割などである。ただし、いくつかの報告においては、有益性のレベルは、どのようにこの食生活の実施度が測定されたかに依存していたという。
「どのようにこの食生活を定義づけたかを、より明らかにすることが、健康的な加齢を最大化する方向へこの食生活パターンを最適に適用するための方法についてのコンセンサスを得るためには重要である」と雑誌編集長のミシェル・メンデス博士はオープニング・エディトリアルの中で述べている。
地中海型食生活とは、最小の加工度の全粒穀物、豆類を主食として、これに種類の豊富な新鮮野菜の摂取、デザートとして新鮮果実、主要な脂肪源としてのコールドプレス・エクストラバージン・オリーブ油と種実類、少量の乳製品、きわめて低頻度・少量の赤肉・加工肉摂取、低-中量かつ食事時間のみのワイン摂取などから成る。
この食生活の順守度を測定する方法は幾つも知られている。今回の研究のひとつでは、パリ13大学の研究チームが、文献ベースの地中海型食生活順守度スコアでの高い得点がある健康的な加齢基準の高得点に関連することを報告している。同様の結果は、もうひとつのインデックス(地中海型食生活スコア)でも得られたが、こちらの関連はより弱いものだったという。スペインの研究チームによる別の研究では、順守度の高さは、身体機能の障害が少ないことに関連していた。このケースでは、地中海型食生活順守度スクリーナーは、地中海型食生活スコアよりも、より有意な結果を示していた。
この食生活への順守度の増加が好ましい影響をもたらすことの裏にある厳密なメカニズムは不明なままである。けれども、研究のひとつにおいては、ワシントン大学セントルイス校の研究チームが地中海型食生活パターンによって誘導される5つの重要な適用の蓄積されたエビデンスについて報告している。それはつまり、血中脂肪が低下すること、酸化ストレスと炎症反応から保護されること、がんを促進する成長因子を変化させること、アミノ酸制限による栄養感受性経路を阻害すること、そして腸内細菌による有益な代謝産物の生産である。
出典は『老年医学雑誌シリーズA』。 (論文要旨)
|