2018.4.20
, EurekAlert より:
遺伝的に心血管疾患のリスクが高い人々にとって、心臓を健康に保つために最良の方法は運動をすることであるようだ、という米国スタンフォード大学からの研究報告。
研究チームは、イングランド、スコットランド、ウェールズから集められた英国バイオバンク研究参加者のデータを使用した。
遺伝的に心血管疾患(心筋梗塞、心房細動)のリスクが高く、けれども研究開始時までに特に心血管疾患の既往のなかった482,702名(40-69歳)を対象とした。半数以上が女性だった。平均6.1年の追跡調査期間中に20,914名が心筋梗塞、脳卒中、心房細動、心不全などの心血管事象を報告した。
年齢、性別、人種、地域差、経済状態、糖尿病の有無、喫煙の有無、血圧、BMIなどを調整したデータ解析の結果、握力・身体活動量と心肺フィットネスレベルの間には負の相関関係がみられた。
心血管疾患の中程度の遺伝的リスクの者の中で、最も強い握力を持つ者は、最も弱い握力の者に比べて、冠動脈疾患の発症リスクが36%低く、心房細動の発症リスクは46%低かった。
高い遺伝的リスクがある者の中でも、心肺フィットネスレベルの高い者は低い者に比べて、冠動脈疾患のリスクは49%低く、心房細動のリスクは60%低かった。
「本研究の主要なメッセージは、身体活動を活発に維持することは心臓病のリスクを下げる、特にあなたが遺伝的リスクが高くても、ということだ」と筆頭研究者のエリク・インゲルソン教授は語っている。
出典は『循環器』。 (論文要旨)
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