2018.4.12
, EurekAlert より:
食糧援助プログラムを受けている貧困家庭の母親は、子供の健康と体重について高度の監視下に置かれている、というカナダ・ブリティッシュコロンビア大学からの研究報告。
研究が発見したのは、貧困家庭の母親(特に黒人とラティーナの母親)の子供たちが太り過ぎか痩せ過ぎの場合、医師や栄養士、社会福祉士から、子供に適正な食事を与えていない可能性があるという強い注意を受ける可能性が高いということだ。
母親はまた、適切な食事を子供に与えていないと見なされれば、子供の親権を失うことを心配することも研究では明らかになったという。
「全ての親は、病院に行けば、子供の身体に関するなんらかの精査に直面する。そして我々の発見が示唆しているのは貧しい母親はさらに精査されることが多いということだ」と共同研究者のシニッカ・エリオット助教授は語っている。「子供が肥満や痩せ過ぎである場合、彼女たちは社会福祉サービスに通報される可能性が高い。」
研究チームは、2年にわたって、ノースカロライナ州の貧困層の母親と祖母ら138名にインタビューした。また1年かけて12家族とその医師とのやり取りや学校給食への対応などについて観察した。
76%の家庭は収入が貧困線以下だった。42%の母親が黒人、33%が白人、22%がラティーナだった。子供の半数は普通体重、3%が痩せ過ぎ、12%が過体重、32%が肥満だった。
観察を通じて、研究チームは、母親たちが子供たちの身体、特にそのサイズが、食生活の反映であることや、彼女らに育児放棄や育児不適格のレッテルを貼られるリスクがあることを認識していた。
「太り過ぎの子供の貧困の親が子供たちの体重を知らないか気にしていないという誤解が一般にあるが、それは単に真実ではない」と共同研究者のサラ・ボーウェン教授は語っている。「多くの母親が、子供の健康と体重についてたくさん気にかけていた。子供がもっと水分を摂り、野菜をたくさん食べ、より活発に運動するように奨めなければならないと知っていた。」
出典は『婚姻と家庭雑誌』。 (論文要旨)
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