2018.4.10
, EurekAlert より:
家の掃除、犬の散歩、庭いじりなどの日常的な身体活動の多さは高齢者の脳灰白質の大きさに関連しているようだ、という米国ラッシュ大学医療センターからの研究報告。
脳の灰白質には、筋肉の動きを制御し、知覚、思考、感情、記憶と会話などを担当する領域が含まれている。灰白質の量は脳の健康状態の尺度だが、認知機能障害の症状が現れる前でさえ、脳の灰白質の量が成人の後半に減少し始めることがよくある。
この研究では、進行中のコホート研究である『ラッシュ記憶と老化プロジェクト』で、262人の高齢者による日常生活の身体活動のレベルを測定した。参加者は、退役軍人やシカゴ周辺の居住者で、年1回の健診とMRI(磁気共鳴画像)スキャンに参加しており、死後の研究のために脳やその他の身体部分を寄付することに同意している。
今回参加者は、加速度計と呼ばれる非侵襲的な装置を7-10日間連続して着用した。目的は、参加者の活動の頻度、期間および強度を正確に測定することだった。
データ解析の結果、日常生活の身体活動量が多いことと、灰白質の容積が大きいことの間には有意な相関がみられた。しかし、身体活動量と認知機能の間には有意な相関はみられなかったという。
出典は『老年医学雑誌シリーズB:心理科学と社会科学』。 (論文要旨)
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