2018.4.3
, EurekAlert より:
たんぱく質を推奨量より多く摂ったとしても、除脂肪体重や筋力、身体機能などの健康状態を向上させる効果はないようだという。米国ブリガム・ウイメンズ・ホスピタルによる高齢男性を対象としたランダム化比較試験の結果から。
米国の食事摂取基準において、成人のたんぱく質推奨量は老若男女問わず、体重1kgあたり0.8g/日となっている。だが、多くの専門家や連邦組織は高齢者に対して、筋肉の成長維持のために推奨量以上のたんぱく質摂取を勧告している。
とはいえ、高齢者がより多くのたんぱく質を摂取することで意義のある有益性がもたらされる、ということを厳密に証明する研究はほとんど存在しなかった。
そこで米国ブリガム・ウイメンズ・ホスピタルのバシン医師らの研究チームが高齢男性を対象としたランダム化比較試験を行ったところ、たんぱく質を推奨量より多く摂ったとしても、除脂肪体重や筋力、身体機能などの健康状態を向上させる効果はないことがわかったという。
「食事でどのくらいのたんぱく質を摂ったら良いのか、とくに高たんぱく食の意義についてのエビデンスがいかに少ないかというのは驚くほどです。エビデンスが不十分なのにも関わらず、専門家は高齢男性に高たんぱく食を推奨しています。私たちは、このことを厳密に検証し、推奨量以上にたんぱく質を摂取した場合に筋肉量や筋力、健康状態に有益なのかを確かめたかったのです。私たちのデータは、高齢成人、とくに虚弱や慢性疾患を持つ人におけるたんぱく質の許容上限量の再評価の必要性を強調しています」などとバシン医師は話している。
出典は『JAMA内科学』。 (論文要旨)
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