2018.4.3
, EurekAlert より:
生後6か月以内に胃酸抑制剤や抗生物質を服用すると、その後小児期にアレルギーを発症するリスクが高まることがわかったという。米国ユニフォームド・サービス健康科学大学の観察研究。
この数十年、アレルギーと喘息は増加傾向にある。人間の腸内細菌叢を変化させうる薬物治療は、アレルギー疾患の増加に関与している可能性が指摘されている。胃酸抑制剤と抗生物質は腸内の微生物のアンバランスの一因であるおそれがある。
そこで研究者らは、米軍の健康システムに最低でも1歳まで加入していた子どものうち、2001年10月―2013年9月までの間に生まれた72万2130人を対象に調査を行った。
薬の使用状況については、生後6か月以内にヒスタミン-2受容体拮抗剤(H2RA)、プロトンポンプ阻害剤(PPI)または抗生物質について把握した。
アレルギー疾患の定義としては、食物アレルギー、アナフィラキシー、喘息、アトピー性皮膚炎(湿疹)、アレルギー性鼻炎(花粉症)アレルギー性結膜炎、じんましん(発疹)、接触性皮膚炎(皮膚発疹)、薬物アレルギー、その他のアレルギーのいずれかがあることとした。
データの分析の結果、胃酸抑制剤を使用すると、とくに食物アレルギーなどの重大な種類のアレルギーのリスク増加と関連してることがわかった。また、抗生物質についても同様の傾向がみられたという。
なお、この研究は観察研究であり、介入試験ではないため被験者が持つ生来の差異を調整することはできないほか、研究限界として、これらの薬がアレルギーの誤診によって処方されていた場合も含まれる可能性があることは否定できないという。
出典は『JAMA小児科学』。 (論文要旨)
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