2018.3.22
, EurekAlert より:
慢性的な痛みのある線維筋痛症の患者にとって、太極拳が有酸素運動と同等かそれ以上に有益であるようだ、という米国タフツ大学からの研究報告。
この知見は、慢性的な痛みをもつ患者にとって最も効果的な運動の種類を再検討すべき時かもしれないことを示唆しているという。
線維筋痛症は、長期にわたって身体のあちこちに疼痛が起こる病気であり、極度の倦怠感、筋硬直、睡眠困難、抑うつなどを引き起こす。世界中の成人人口の2-4%が影響されるという。
標準的な治療法として現在は有酸素運動が推奨されるが、多くの患者が症状の変動によって運動困難であることが多い。太極拳が有効であるという臨床試験も報告されているが、依然として堅牢な結論を得るまでには至っていない。
研究チームは、太極拳やそれに似たタイプの補完代替医療を過去6か月間に実施していなかった226名の線維筋痛症の患者を対象に検討を行った。平均年齢は52歳、92%が女性、61%が白人、痛みの期間は平均9年だった。
開始時に、参加者は線維筋痛症強度質問票(FIQR)に回答した。ランダムに5群に振り分けられ、1群は有酸素運動を週2回24週間、別の4群は太極拳(Tai-Chi)を週1-2回12-24週間にわたって実施した。
FIQRスコアは、12、24、52週目に評価された。患者は服薬、医療機関受診はそれまで通りに実施した。
その結果、5群全ての介入において、FIQRスコアの改善がみられたが、太極拳群の改善は、有酸素運動群の改善よりも、24週目において有意に高かった。太極拳群はまた有酸素群と同じ強度期間(週2回、24週)においても改善の度合いが高かったという。
太極拳群の中での比較では、12週より24週の方がより大きな改善を示した。けれども週1回と週2回の間には有意差はみられなかったという。
出典は『英国医学雑誌(BMJ)』。 (論文要旨)
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