2018.3.22
, EurekAlert より:
妊娠中と授乳中にビタミンDの血中濃度が低いことは脳の不規則な発達を起こす可能性がありそれが子供の後年の社会行動に影響を及ぼすかもしれない、という豪州ウェスタンオーストラリア大学からの動物実験の結果報告。
研究チームは、妊娠中と授乳中にビタミンD欠乏だったラットから生まれた仔ラットの社会行動に変化が見られることを発見したという。それらの行動はヒトでいう自閉症スペクトラム症候群(ASD)に良く似ていた。
この知見は、母体の妊娠中のビタミンDレベルが子供の脳の発達に重要であるというさらなるエビデンスを供給するものであるという。
ASDは、個体が世界と相互作用する方法に生涯にわたって重大な影響が及ぶ状態である。ヒトの研究で、妊娠中の母親のビタミンD濃度が低いほど子供のASD発症リスクが高いことが示唆されている。しかし、この関係を支えている生物学的メカニズムは依然として不明である。
「本研究は、ラットの研究だが、これらのデータは妊娠中のビタミンD濃度が脳の発達にとって重要であることを示している。これらの関連がヒトにも適用されるかどうかを確認するためにはさらなる研究が必要である」と主任研究者のケイトリン・ウィルウォール博士はコメントしている。
出典は『内分泌学雑誌』。 (論文要旨)
|