2018.3.20
, EurekAlert より:
我々は「バラ色のメガネ」を通して、我々自身の人生と、さらには気になる人の人生をみているようだ、という英国ロンドン大学シティ校などからの研究報告。
本研究は、「楽観主義的バイアス」が自分自身だけでなく他人にも拡張されることを示した最初のものであり、人々が良いニュースに接したときは容易に、彼らの好きな人物についての信念を変化させるが、悪いニュースに接した時にはほとんど変化させないことを発見したという。
たとえば、私たちは自分が思っていたよりも賢いことを発見する(良いニュース)と自分に対する信念を容易に変え、自分が思っていたよりも馬鹿であることを発見した(悪いニュース)ときは自分に対する信念は変えないが、それが他者に対しても働くというのである。
この「代理的楽観主義」は、他者を気遣う傾向の高い人々により強く現れ、それは見知らぬ人についてさえ及ぶようだ。
研究チームは、1,100人以上の参加者を集めた5つの実験を行った。そのひとつでは、参加者に否定的な人生の出来事の主体を想像してもらった。
たとえば、主体を友人として、参加者は否定的な出来事(トランクを失くす、がんになる、重要な会合を忘れるなど)が起こったと想像した。それから参加者はそれがどれくらいありそうかを聞かれ、回答後、実際の発生率を教えられた。
時にはそれは良いニュースであり、参加者が期待するよりも発生率は低かったが、別の時にはそれは悪いニュースであり、期待するよりも発生率が高かった。
このニュースの良し悪しが他者に対する彼の信念をどのように変えるかを調べるために、参加者はもういちどそれがどれくらいありそうかを聞かれた。
研究チームは、楽観主義的バイアスは他者にも適用されるのであり、特に気になる人(たとえば友人)に対してはそれが強まることを発見したという。
出典は『心理科学』。 (論文要旨)
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