2018.3.19
, EurekAlert より:
血中のω-3系脂肪酸レベルは、コレステロール値よりも死亡リスクの正確な予測手段になりえるかもしれない。ω-3系脂肪酸レベルの高い人は、低い人に比べて全死因における死亡リスクが約33%低くなることが示された。米国サウス・ダコタ大学の研究。
最新の調査により、血液中のω-3系脂肪酸(EPA・DHA)濃度の測定は、特定の疾患発症リスクの評価において重要であることが示された。この報告は、1948年に開始された「フラミンガム心臓研究」の当初の被験者たちの子孫2500人を追跡した研究によるものだ。なお、今回の研究の被験者は、試験開始時点で66歳、心血管疾患を持っていない人とし、女性の方が男性よりわずかに多かった。観察期間は、彼らが73歳前後になるまでとした。
結果に影響する多種多様な因子を調整した後に示されたデータでは、ω-3系脂肪酸濃度が高いほど、心血管疾患イベントと、虚血性心疾患イベント、脳卒中のリスクが低いことが明らかになった。特に、心血管疾患やがんで以外の全ての死因とω-3系脂肪酸濃度は強く関連していた。このことは、DHAとEPAには高範囲の有益な作用があることを示唆している。
ω-3系脂肪酸レベルの高さと、死亡リスクの低さの関連については、少なくとも他の3つの先行研究で報告されているが、今回の最新研究で新たにわかったことは、血中コレステロールレベルよりもω-3系脂肪酸の方が、心疾患のリスク評価をする上で効果的だということだった。今回評価した5つのアウトカムに対し、コレステロール値はいずれにも有意な関連を示さなかったものの、ω-3系脂肪酸は4つに関連していたという。
今後さらなる研究で関連性が再確認されれば、一般的な血液検査項目に、血糖値やコレステロール値と並びω-3系脂肪酸値が載るようになるかもしれない。
出典は『臨床脂質学雑誌』。 (論文要旨)
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