2018.3.15
, EurekAlert より:
オオムギからビールへの変換は古い物語であり、水と酵母とホップのが登場する。今や時代は変わった。もう一人の登場人物が物語に登場する。たんぱく質である。たんぱく質はビールの味を向上させる鍵となるかもしれない、という。
ビールには大麦や酵母由来のたくさんのたんぱく質が含まれており、それがビールのフレーバーや発泡性といった性質に影響を及ぼす。ビールに含まれるたんぱく質のプロフィールは製造過程に左右されるが、ビールの醸造工程はなかなか複雑である。
豪州クイーンズランド大学のベンジャミン・シュルツら研究チームは、製造工程における完全なビール中のたんぱく質プロフィールを明らかにしたいと考えた。いわば分子醸造というわけである。
研究チームは、質量分析法を用いて、たんぱく質をその重量で同定した。小さなマグカップ分のビールを醸造し、工程の三段階(麦汁、ホップ麦汁、ブライトビール)のサンプルを分析した。オオムギと酵母由来の200以上のたんぱく質が同定され、工程に応じて大きく変化していくこともわかったという。
研究チームは、将来的には、フレーバーや発泡性に関与するたんぱく質を同定して、ビールの品質を向上させることを目指したい、としている。
出典は『プロテオーム研究雑誌』。 (論文要旨)
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