2018.3.13
, EurekAlert より:
米国の大部分の出産ユニットでは、妊婦は出産中NPO(nil per os、飲食禁止)状態に置かれ、アイスチップ以外の飲食は許可されないが、実際には飲食は特に妊婦のリスクを高めることはないようだ、という米国セントチャールズ病院からの研究報告。
「この研究の知見は、特に問題のない出産においては、経口摂取の制限を緩めることを支持している」と主任研究者のアン・シアルイスは語っている。これまでの結果に加えて、本研究では出産中の女性に「自由な」飲食を許可することが、母体と子供のアウトカムに特に問題は起こさないことが示唆されている。
研究チームは、2008年から2012年にかけて単一の病院における2,800名近くの妊婦の出産記録を分析した。看護師と医師のチームが5つあり、そのうちのひとつのチームでは、妊婦の自由な飲食が許可された。残りの4つのチームは、飲食禁止を厳守した。
約1,600名の妊婦がNPO(アイスチップだけ)を守り、1,200名は出産中に自由に飲食した。データを比較した結果、両群は「充分に等価」であったという。妊婦の平均年齢は31歳だった。
出産前に、妊娠の合併症につながる既存の症状があったのは、NPO群で14%、自由飲食群では20%だった。NPO群のほうが出産前の問題は少なかったが、出産中の合併症は、NPO群の方が有意に多く発生した。NPO群では予定されていなかった帝王切開になる割合が有意に多かった。
「我々の結果は、低リスクの妊婦には出産中に固形食品でも飲料でも自身の判断による飲食を許可しても差し支えないことを支持するものである」と研究チームは結論付けている。
研究の限界として、妊婦がランダムにNPO群と自由飲食群に振り分けられていないことが挙げられている。
出典は『米国看護学雑誌』。 (論文要旨)
|
|