2018.3.7
, EurekAlert より:
新生児が体温を保つために燃焼させるのと同じ種類の脂肪細胞が、成人の減量薬の標的として有望かもしれない、という米国カリフォルニア大学バークレー校からの研究報告。
褐色脂肪細胞は、哺乳類の体温調節を助ける細胞だが、筋細胞に極めて類似した様式でそれを行うようだ。脳からの信号で、褐色脂肪はエネルギーを燃焼し熱産生を行う。研究チームは、この代謝過程を分解し、それを調節する薬物の標的になる経路を同定することができたという。
「我々は、褐色脂肪組織がカロリーを脂肪と糖質から消費して熱産生へと導く引き金になる新しい代謝経路を同定した」と主任研究者のアンドレアス・スタール教授は語っている。「この褐色脂肪が活性化される方法を知ることは、肥満との戦いに新しい扉を開くものだ。」
脳から放出されたノルエピネフリンが褐色脂肪細胞の受容体に結合すると、UCP1の生産とミトコンドリアへの移動が起こる。通常はこれがATPの産生を高めるが、滑翔脂肪細胞では、UCP1はATPを作らずに熱産生を起こす。
筋細胞では、ミオシンとよばれるたんぱく質が筋収縮を起こすが、これと同じものが褐色脂肪細胞にも存在する。UCP1が活性化されると、ミオシンが細胞の緊張を引き起こし、それが熱産生につながっているようだ。
出典は『細胞代謝作用』。 (論文要旨)
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